コラム
お茶好きさんにきいてほしい 茶葉のこと
お茶の味わいは「合組」で深まる
日本茶は各産地、品種、生産者によって個性を持っています。お客様は一見すると何が違うのと聞かれることも多いのですが、私たち「茶を扱う者」からすると茶一つ一つが全く違います。形状も作り方で違いますし、内質(香・水色・滋味)はかなり違い、比較の基準になってきます。
これらの個性を駆使して店の味を作り出していくこと、これが「合組(ブレンド)」の作業です。
なぜ、この作業が必要なのか?
「美味しい茶葉があれば一つ一つ売ってくれればいい」との意見もあります。
確かに総合評価の高い茶葉はそれでいいかもしれませんが、私たちは茶師として一年一作の流れの中、「品質と量の安定供給」が求められます。
いつもの味と違うと感じたお客様から「今回のお茶は美味しくない。モノが変わったのか」と問い合わせがくることもあります。体調や淹れ方・季節の変わり目などモノが変わらずともこのような条件で問い合わせが起こることもあり、安定供給とは大変な作業なのです。
別の視点から見れば、クレームは提供する「茶葉とお店」に期待を寄せていただいているからではなかろうか、とイメージしています。
だからこそ全力を挙げて良い茶葉を仕入れ、素晴らしい合組にしなければならないと日夜研究を重ねています。
「信用」とはかくもありがたいものであります。
鑑定士 木屋康彦が選ぶおすすめの茶葉
合組のベースになるもの、それは個々の茶葉の評価です。今回は「お茶好きさん」にもっと興味を持っていただける様、栽培方法・品種・摘む時期など、より個性に注目を当て限定販売にてお届けさせていただきます。
お茶の世界、少し奥を覗いてみませんか!!
日本茶鑑定士 木屋 康彦
木屋芳友園三代目当主。全国で39人しかいない日本茶鑑定士の資格を持ち、自由な新しい発想の中で新たなお茶の楽しみ方を提案する。八女茶・伝統本玉露の振興や文化的発展に尽力中。